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JUGEMテーマ:空間 x 音響

7月19日の[朝日新聞グローブ](別刷り特集)第44号のテーマは「『音探し』の新次元」
私としては非常に興味深いテーマ。

●虫の軌跡が聞こえる。立体音響の最先端
●良い音とは何か。プロとアマのギャップ
●テレビの音は進化するのか
●細野晴臣が追求する「心地よい周波数」
●「聴能」を伸ばす─2デシベルの差を聞き分け

──などの記事が特に目を引いた。

「良い音とは──」では、オーディオ・エンジニア・ソサエティー(AES、本部・NY)の国際会議(6月)での議論が記されているが、とりわけ注目に値するのは次の発言であろう。

「一般人はMP3のようなひどい圧縮音を携帯プレーヤーにダウンロードし、安いイヤホンで聴いている」
「それは単に手軽だからだ。原音にできるだけ近い良質な音を再生するのがプロの務めだ」

CDがレコード(アナログディスク/ブラックディスク)に取って代わってから四半世紀になるが、CDがこれほどまでに普及したのは、実は音質の良さのせいではなく、再生機能の手軽さと保管の簡便さが理由であると私は考えている。

その証拠に、人々は「ひどい圧縮音」を「安いイヤホン」で平気で聞いているし、「省スペースや映像の美しさと引き換えに音質を下げてしまっ」ているのが現状である。

テレビのCMでも、映像の美しさや微細さは盛んに強調されるが、音質について言及されることはまずない。

音が蔑ろにされているのである。

だが、悲しいかな、圧縮された画質の劣化した映像はすぐに分かるのだが、圧縮された音質というのはなかなか一般人には分かりにくいのが実状である。

だからと言って、テレビが音質を疎かにしていてもよいということでは、決してないはず。

元来VisualよりもAudioが好きな私としては、どうしても熱中するほどテレビが好きになれないのである。

「聴能を伸ばす──」では、「絶対音感を持つ人は、音階を聞き分けられる……。これをもっと細かい周波数と、さらに音の大きさまで聞き分ける教育を、九州大学芸術工学部音響設計学科で行っている」との記事。

そこで思い出したのは、私が高校3年生の時のこと。

文系コースの物理の授業(理系コースのそれとは異なり、“お気楽”な雰囲気の中での様々な実験を伴った授業だった)で、2つの音叉の音の高さの違いがどこまで分かるか、クラス全員で試したことがあった。

2つの音叉のうち片方は何の仕掛けもなく440Hzの音が出るようにし、もう片方には音叉に洗濯ばさみのようなものを複数個取り付けて振動数を抑え(つまり音程を低くして)、私たち生徒は机の上に伏してそれら2つの音の違いを聞き分けられるかどうかという実験をした。

初めのうちは聞き分けられる者も結構いたが、洗濯ばさみの数を減らしていくと次々と“脱落者”が。

そして最後まで残ったのが私一人。

2、3度、一回でどちらの音が高いかを言い当てて先生やクラスメイトから感心されつつ、いよいよ次のステップ。

1度目。

音程の違いが分からず、
「分かりません。もう一度お願いします!」
と頼んで、もう一度音叉を鳴らしてもらう。

2度目。

悔しいことに、それでもどうしても分からず、
「うーん……分かりません」
と言うと、「おおー」という静かな歓声と拍手が。

「どういうこっちゃ?!」と思いながら顔を上げると、教壇の上の音叉は2つとも洗濯ばさみを付けていなかったのである。

つまり、鳴らされた音叉は2回とも同じ440Hzの高さだったのである。

10年間(当時)習い続けてきた電子オルガンのおかげで、自然と培われてきた(らしい)絶対音感(もどき)であった。

今や四六時中騒々しいばかりの音に囲まれて生活している私たち。

その騒々しさに慣らされてしまって、音のクオリティーや音と音の“間”を楽しむ余裕をすっかり失くしてしまったのではないだろうか。

at 10:47, もーちゃん, その他の話題

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