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【転載】日本はどのようにして原発列島になったか

JUGEMテーマ:原子力発電

『日本はどのようして原発列島になったか』
〜〜過去50年にわたる自民党政権の政策をチェックする〜〜

              2011年4月2日
                   池住義憲

 「原子力、エネルギー政策は(今回の)事故の検証を踏まえ、改めて議論する必要がある」。これは菅直人首相が、3月31日、サルコジ仏大統領との共同記者会見の場で語った言葉です。政府は昨年(2010年)6月に、現在54基ある原発を2030年までに14基以上増やすという閣議決定をしていましたが、それを「見直しを含めて検討したい」としました。

 そもそも今日の日本のエネルギー政策(原発政策)は、誰がどのように作り、進めてきたのか。振返ってみましょう。

原発政策のおこり(1955年〜1990年代)

 起こりは1955年に遡ります。当時の自由党と日本民主党の保守合同により現在の自民党が成立(1955年11月)した直後です。その年の初めに米国から濃縮ウランの供与を含む対日原子力援助に関する申し出がありました。それを受けた自民党政権・鳩山内閣(1954〜1956年)は、1955年12月の臨時国会で「原子力基本法」、「原子力委員会設置法」などいわゆる“原子力三法”を議員立法として成立させました。

 その後、原子力利用に係わる体制を整備し、1956年9月に第一次原子力長期計画をまとめます。岸内閣(1957〜1960年)は、米国から導入した技術と貸与されたウランによって、1957年に茨城県東海村に日本で初の原子力研究所を設置しました。原子炉として高速増殖炉の開発や核燃料再処理の全てにわたって国産化を目指す日本原子力産業の拠点とするためでした。

 この方針は、米国からの支援を受けて、岸内閣以後も池田内閣(1960〜1964年)内閣、佐藤内閣(1964〜1972年)にも引き継がれます。そして敦賀(1970年〜)、美浜(1970年〜)、福島第一(1971年〜)に原発を設置していきました。さらにその後も、島根(1974年〜)、高浜(1974年〜)、玄海(1975年〜)、伊方(1977年〜)、東海第二(1978年〜)、福島第二(1978年〜)、川内(1984年〜)、女川(1984年〜)、柏崎刈羽(1985年〜)、泊(1989年〜)、大飯原(1991年〜)、志賀(1993年〜)、浜岡(1993年〜)、東通(2005年〜)と拡大の一途を辿っています。

 その結果、現在、日本国内にある原発は、13道県で計54基(稼動しているもの)の原発が地震列島の上に点在しています。そのほとんどが米国型軽水炉の導入です。そして、現在計画中の原発は14基(2011年島根、2014年大間、2016年敦賀2基、2016年福島第一2基、2017年〜東通3基、2018年上関2基、2019年川内、2020年浜岡、2021年浪江・小高)となっています。この間、自民党政権は、田中内閣(1972〜1974年)、三木内閣(1974〜1976年)、福田内閣(1976〜1978年)、大平内閣(1978〜1980年)と続き、「原子力長期計画」は次々と更新されていきます。

 1980年代に入ると、特に1988年カナダ・トロントで開催された「大気変動に関する国際会議」においてオゾン層破壊、酸性雨、温室効果ガス問題が議論されるなど、地球温暖化問題への国際的な対応が求められるようになってきました。しかし、鈴木内閣(1980〜1982年)、中曽根内閣(1982〜1987年)、竹下内閣(1987〜1989年)、宇野内閣(1989年〜)、海部内閣(1989〜1991年)、宮沢内閣(1991〜1993年)と続いた自民党政権は、原発は温室効果ガスの排出を抑制するための代替エネルギーに成り得るとして、むしろ原発政策の維持・発展を強調しました。

21世紀に入ってからの動き

 2000年代初頭の森内閣(2000〜2001年)、小泉内閣(2001〜2006年)では、第九次原子力長期計画を策定し、21世紀の原子力発電は地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から、引き続き基幹電源として位置づけて、最大限に活用・推進する方針を鮮明にします。MOX 燃料(ウランとプルトニウムを混ぜた混合酸化物燃料)を利用するプルサーマル推進計画をより着実かさせたのも、この時です。

 そして、2002年に「エネルギー政策基本法」、2003年に「エネルギー基本計画」、2005年に「原子力政策大綱」を閣議決定。2006年には「原子力立国計画」と矢継ぎ早に取りまとめていきます。日本の原子力産業の国際展開支援(原発の輸出)は、こうした流れのなかで打ち出されていきました。

 このように日本の原発政策は、50年の長きにわたって自民党政権(1999〜2009年は自公政権)が米国からの支援によって、電力会社と重電メーカーと一体になり、進めてきたのです。その結果、海洋プレートと大陸プレートの境界に位置する日本列島、しかも過去に大地震・大津波を経験している列島の海岸線沿いに54基もの原発がひしめくことになっているのです。

 自民ならびに自公政権下で進められてきたこうした計画は、2009年9月の政権交代後も引き継がれました。民主党は2009 年の衆院総選挙マニフェストで、原子力利用について着実に取り組む」と書き、その次の2010年参院選マニフェストでは、「総理、閣僚のトップセールスによるインフラ輸出」として原発を挙げています。

 鳩山内閣(2009〜2010年)は、この分野での日本の強みを活かして日本が「環境・エネルギー大国」を目指すとした「新成長戦略(基本方針)」を決定します。そして菅内閣(2010年〜)に引き継いだ矢先に、福島第一原発事故が起きたのです。

「原発事故」と「原発政策」の検証が欠かせない

 原発政策の「見直し」「再検討」は、当然です。「2030年までに14基以上増設する」というエネルギー計画を根底から見直すべきです。現在稼動している原発も、すくなくとも大地震・大津波の可能性が高いとされている地域の原発運転は停止することです。そして、過去50年にわたって自民党政権が進めてきた原発政策を根底から見直し、今回の福島第一原発事故の検証を行う必要があります。

 今回の福島第一原発での事故内容とその対応から改めて明らかになったことは、原発は人為で制御できないということ。自分たちで「想定」した範囲内(想定枠)のなかで対策を講じていたことが甚大な被害を生じさせた、ということです。

 そして、環境・人体に及ぼす被害の広さと深刻さは、地域・国をはるかに超えて地球全体に及ぶこと、数世代を超えておよぶということです。使用済み核燃料問題に至っては、人為で処理する技術・方法を持たないままに原発を稼動し続けている、ということが明らかになってきました。

 過去50年にわたって原発政策を推し進めてきた政党は、今回の福島原発事故を踏まえ、真摯な反省と検証作業をまず自らが行なうべきではないかと私は思います。

 人命・環境(生態系)を重んじるよりも、人為で制御しきれない原発を優先して政策決定してきたのはなぜか。そのことをどう考えるか。過去の地震・津波の経験やデータで大地震・大津波発生の可能性が高い地域(三陸および東海地方など)の海岸線沿いに原発を設置したのはなぜか。そのことをどう考えるか。

 さらに、自ら設定した「想定枠」に基づいて発信してきた「安全情報」と原発立地周辺地域の「対策」の政策決定プロセスで何が欠けていたのか。使用済み核燃料の危険さとそれを人為では処理することが出来ず、また最終処分地の目途が立っていないにも拘わらず、なぜ原発導入を優先したのか。

 今後の日本のエネルギー政策を策定する時、こうした検証作業は、欠かすことができない基盤になるのではないかと思います。

at 16:14, もーちゃん, 国家権力とその取り巻き連中の横暴

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